新型加熱式たばこ「TEREA(テリア)」「SENTIA(センティア)」について
2021年9月1日
更新2023年11月27日
フィリップモリスジャパン合同会社より、新型の加熱式たばこスティック「TEREA(テリア)」「SENTIA(センティア)」が販売されています。上記2 銘柄にはたばこ葉の中に先端が鋭利な⾦属⽚が組み込まれており、誤飲した場合は、たばこ葉によるニコチン中毒とともに、⾦属⽚による物理的な影響も考慮する必要があります。
医療機関での対応にあたっては、 フィリップモリスジャパン合同会社 より提供された資料「TEREA(テリア)製品について」および下記「⾦属⽚の誤飲に関する検討結果」をご確認ください。
なお、本資料は医療従事者のみに開示しておりますので、データのお取り扱いにはご注意ください。
⾦属⽚の誤飲に関する検討結果
中毒110 番に問い合わせがあった事例を対象に、⾦属⽚の排出状況等をまとめ、第45 回⽇本中毒学会総会・学術集会(2023 年7 ⽉14-15 ⽇、埼⽟県)で報告しました(竹内明子、他:中毒研究2023;36:215)。
以下に概要を⽰します。医療機関で⾦属⽚の摘出の必要性を判断する際の参考としてください。
● 対象︓2021 年8 ⽉〜2023 年2 ⽉に、「加熱式たばこに内蔵された⾦属⽚を誤飲した」と⼀般および医療機関から中毒110 番に問い合わせがあった5 歳以下の事例247 件
● ⽅法︓事後、電話(⼀般)および急性中毒症例調査⽤紙(医療機関)による追跡調査を⾏い、⾦属⽚の排出状況を確認した
● 結果
レントゲン検査で⾦属⽚が確認できた57 件のうち、
・⾦属⽚が便中に確認(⾃然排出)できたのが27 件で、うち24 件は2⽇後までに排出された。
・便中には確認できなかったが、レントゲンの再検査で写らなかったのが6 件あり、これらも⾃然排出されたと考えられた。
・ 鉗⼦やマグネットカテーテルで摘出されたのは5 件であった。
247 件において、消化管穿孔などの重篤例はなかった。症状があったのは94 件(38%)で、嘔吐73 件、不機嫌14件、顔⾯蒼⽩9 件、悪⼼8 件、元気がない8 件、⼝内等の出⾎4 件、咳込み・咳4 件などを認めた。
なお、⽇本⼩児科学会Injury Alert(傷害速報)「No.121 ⾦属⽚を内蔵した加熱式タバコの誤飲による消化管異物」も参考にしてください。
中毒症例収集へのご協⼒のお願い
新しいタイプの製品については、中毒事故情報、症例情報を共有し治療や事故防止に役立てることが重要です。⽇本中毒情報センターでは引き続き加熱式たばこの症例を収集しております。誤飲事故発生時には中毒110番にお問い合わせいただくとともに、症例収集へのご協力をお願いいたします。