1.情報提供事業
1) 「中毒110番」において急性中毒に関する電話相談への情報提供を行っています。
・ 一般市民には、受診の必要性、予想される中毒症状、家庭で可能な応急手当などの情報を提供します。
・ 医療機関には、症状や治療などの専門的な中毒情報を提供します。
2) 「中毒110番」で受信したヒトの急性中毒に関する相談は、1年ごとに統計処理を行い、受信報告としてホームページに掲載しています。
3) 「中毒110番」での情報提供を通じて、日本中毒情報センターはトキシコビジランス* としての機能を果たしています。
*トキシコビジランス(毒物不寝番)
事故発生の把握および類似した事故事例を収集・解析して、最終的に事故の発生を未然に防ぐことを目的とした活動
4) 化学災害・化学テロに備え、関連諸機関、中毒専門家と情報収集、情報交換を行う体制を整えています。
2.資料収集・整備事業
1) 情報提供に利用するための資料として、下記情報の整備を行っています。
◆基盤情報(製品情報、天然物情報、一般情報)
・製造・販売事業者等から提供された情報、書籍等の情報を基に整備したものです。
◆中毒情報(医療情報)
・ オリジナルファイル(医師向け)
中毒原因物質のカテゴリー別(成分別もしくは用途別)に作成した中毒情報で、毒性、症状、治療等、中毒に対応するために必要な医療情報を集約しています。
・手引ファイル(薬剤師・保健師・看護師向け)
中毒原因物質の用途別の中毒情報で、一般市民からの問い合わせに対応できるよう、毒性、症状、治療等のほか、確認事項、情報提供時の要点などをまとめています。このうち、一部はホームページで公開しています。
◆治療情報(初期治療方法、解毒剤情報、分析機関情報)
2) 中毒原因物質の製品名、物質名、会社名、用途から、上記の基盤情報、中毒情報、治療情報を検索することができるシステム(中毒情報データベースシステム:JP-M-TOX)を構築しています。
救急医療機関、医療機関、行政機関で簡便に利用できるデータベース(CD-ROM)として有料で提供しています。
3) これらの情報を作成するための基礎資料として、症例情報(日本中毒情報センター受信症例、文献症例)、文献情報等を収集しデータベース化しています。
・ 電話相談の追跡調査を行い、中毒症例を収集しています。収集した症例の一部は会員向けホームページで公開しています。
3.啓発・教育事業
1) 中毒事故の予防のため、講演会や学会への参画のほか、種々の書籍、パンフレット、DVD等の視聴覚資料を通じて、啓発活動を行っています。ホームページでの情報発信も行っています。
講演会についてご希望の方は、日本中毒情報センター本部事務局までご連絡ください。
2) 厚生労働省の委託事業として「NBC災害・テロ対策研修」を主催しています。
3) 収集した中毒事故情報を厚生労働省、消費者庁等の関連機関や企業と共有し、化学製品による健康被害事故の防止に役立てています。
4)医師向け「中毒110番体験研修」を実施しています。
5)薬学生を対象として早期体験学習、実務実習(中毒関連カリキュラム)を実施しています。